- 日本国内向けトップランナーモータ(IE3)について教えてください。
- 「省エネ法」の政省令・告示改正(交流電動機の追加等)が2013年11月1付で公布・施行され、適用開始は2015年4月1日以降メーカーより国内向けに出荷されるモータが対象になりました。つまり2015年4月1日以降メーカーより出荷される電動機(モータ)はトップランナー基準を満たす製品となりました。
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- トップランナーモータにリプレースする際の注意点を教えてください。
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- 標準効率(IE1) モータよりモータサイズが大きくなる場合があります。
サイズが大きくなる場合がありますので, 取り合い寸法と周辺機器との取り合いをご確認ください。
- トップランナーモータは一般的に始動電流は大きくなる傾向があります。
始動電流が大きくなりますので, マグネットやブレーカー等を見直さなければいけない場合がありますので, ご確認ください。
- トップランナーモータは一般的に回転速度が速くなります。
速度が速くなるに伴い. 動力が増加し電力消費量が増加します。
定格電流値ちょうどの状態で使用されていた場合, 定格を超えて過負荷になります。
- 1999年からJIS、JECが見直しされていますが、主な改訂内容を教えてください。
- 主な改訂内容は以下の通りです。
- JIS C4034-5-1999年 「 回転電気機械 - 第5部 : 外被構造による保護方式の分類 」
IEC(国際電気標準会議)規格と整合化を図るために保護方式の記号をJP→IPに変更
- JIS C4034-6-1999年 「 回転電気機械 - 第6部 : 冷却方式による分類 」
IEC(国際電気標準会議)規格と整合化を図るために冷却方式の記号をJC→ICに変更
- JEC-2137-2000年 「 誘導機 」
- 特性算定について従来の円線図法がなくなり、等価回路法、損失分離法、ブレーキ法、動力計法のいずれかで算定
- 端子記号の変更
一例として U、V、W、X、Y、Z → U1、V1、W1、U2、V2、W2 に変更
- JIS C4210-2001年 「 一般用低圧三相かご形誘導電動機 」
JEC-2137-2000年およびJIS C4034に準じて変更
低圧モータの0.2KW~37KWの2P、4P、6Pの寸法と特性などを規定
- モーターの定格電圧、定格周波数について教えてください。
- 一般に、低圧モーターは200V/50HZ、200V/60HZ、220V/60HZの3定格、または400V/50HZ、400V/60HZ、440V/60HZの3定格です。機種によっては、200/400V級共用6定格もあります。
また海外の400V級モーターに対応するために、380V、400V、415V/50HZ、400V、440V、460V/60HZの6定格もあります。高圧モーターは3000V/50HZ、3300V/60HZ、6000V/50HZ、6600V/60HZ等があります。
- モーターの口出し線について教えてください。
- 原則として3.7KW以下は3本です。5.5KW以上は3定格では6本(スターデルタ始動可能)、6定格では12本(スターデルタ始動可能)です。
- モーターの回転方向について教えてください。
- 指定のない場合は、正相に接続すると軸端から見て反時計回り(CCW)です。
- モーターの逆転運転は可能ですか?
- ファンに方向性がない機種は逆転可能ですが、ファンに方向性がある機種(モーター本体に回転方向に指示があります)は逆転不可です。
- 周波数が変わるとモーターにどんな影響がありますか?
- モーターの回転数(速度)が変わりますので、影響が大です。
参考までに、同期速度と周波数の関係を表にします。
極数 |
同期速度( min-1) |
50HZ |
60HZ |
2P |
3000 |
3600 |
4P |
1500 |
1800 |
6P |
1000 |
1200 |
- 電圧が変動するとモーターにどんな影響がありますか?
- 特性にいろいろな影響を与えますが、その変化が±10%以下ならば、定格出力で実用上は支障なく使用できます。
- かご形モーターの始動器について教えてください。
- かご形モーターは始動電流が大きいので、電圧降下により運転中の他の負荷に悪い影響を与えます。
そこで始動電流をおさえるために始動器が用いられます。代表的な始動器はスターデルタ始動器、リアクトル始動器、コンドルファ始動器です。スターデルタ始動器は比較的小さなモータに用いられます。
リアクトル始動器は、始動中にモータのトルクが自動的に増加する特徴があります。コンドルファ始動器は始動トルクを一定の値におさえる特徴があります。
- インバータの2次側に、なぜトランスを入れてはいけないのですか?
- インバータは周波数を制御するので、一般のトランスは対応できません。必ずモータの電圧にあったインバータを選定してください。
- 400V級のインバータで標準モータを駆動する場合の絶縁の影響について教えてください。
- インバータ素子のスイッチングによって発生するサージ電圧が、インバータの出力電圧に重畳され、モータの端子に約1250V位印加されますので、モータの絶縁を強化する必要があります。
メーカーによっては対応が異なりますので、400V級インバータを使用する場合は注意が必要です。
なお200V級インバータで標準モータを駆動する場合は、サージ電圧が低いので問題ありません。
- VSモーターとインバータの違いは?
- どちらもモーターの回転数を可変速できますが、電力損失が違います。VSモーターの場合は回転数が1/2になっても電力損失は同じですが、インバータの場合は回転数が1/2になると電力損失も1/2(定トルクの場合)になります。すなわち省エネルギー効果があります。
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